親御さん
そう疑問に思っている方も多いでしょう。単刀直入に言うと、英検5級は「中学1年生レベル」です。
そのため、英検5級は中学初級レベルの英語力があれば合格圏内と言えます。小学生でも、出題内容を把握してしっかり対策すれば合格は十分可能です。
この記事では、英検5級のレベルや出題内容、合格率などを詳しく深ぼって解説します。英検5級を受験する前にぜひこの記事でどんな内容の学習が必要なのか確認してみてください。
- 英検5級のレベルは「中学1年」で習う相当の英語レベル!
- 英検5級に合格するには600語程度の英単語を覚えておく必要あり
- 英検5級にはスピーキングテストもある!
- 英検5級の合格率は81.9%!(2015年公式発表)
英検5級を受験する意義やメリットはある?
英検5級を受けようかどうか迷っているならば、受けたほうが良いでしょう。なぜならば、英検5級を受験することによるメリットが大きいからです。
英検5級受験によるメリット
- 4級以降の受験の練習
- 英語学習へのモチベーションアップ
- 現在の英語レベルを確認できる
英検5級の出題内容は筆記・リスニング・録音形式のスピーキングテストの3つで、4級と同じ形式です。5級を受けておくことで、4級へのチャレンジがスムーズにできるようになります。
英検5級に向けて学習を進めることで、英語学習の目標ができ、モチベーションを切らさずに学習を継続できます。現在の英語レベルを客観的に確認できるのも、英検5級受験のメリットです。
英検5級合格が将来に与える影響
英検5級に合格すると、今後さらに上のレベルの英検やTOEICなど、他の英語資格へチャレンジする際に、モチベーションを保ったまま学習が続けられます。とくに小学生のうちに英検5級に合格していると、まわりの子どもたちよりも英語学習の進度を進められるため、英語を得意教科として自信を持って取り組むようになります。
中学入試や高校入試の際に、英検を取得している児童生徒には優遇・加点が行われる学校も多いです。主に英検4級以上が加点の対象となるため、4級合格のためにも早期に5級に挑戦しておくと、中学入試・高校入試が有利に受験できます。
学生時代に英語を身に付けておくと、将来のキャリアも選択肢の幅が広がり、世界で活躍できるチャンスも生まれるでしょう。
英検5級のレベルと試験概要
自分の英語力を示す基準は世界中にいろいろあります。日本で最もポピュラーなのは英検(実用英語技能検定)です。
5級、4級、3級、準2級、準2級プラス(2025年度より導入)、2級、準1級、1級とレベル別に分かれており、最初の段階が5級です。英検の入口とも言える5級について、理解を深めていきましょう。
英検5級のレベルは?
英検5級受験には、一般的に中学1年程度の英語力が必要です。2020年度から小学校でも英語が教科化されたこともあり、今では英語を習ったり家庭学習をしたりする小学生も増え、実際英検5級の小学生の受験生も増加傾向にあります。
英検5級では、英語の基本的な内容が出題され、リーディングとリスニング双方をバランスよく理解する力が求められます。中学1年生程度の英語力が必要と言われているため、小学生で5級を受験する場合は中1レベルの英語力の習得が必要です。
中学生の場合は、学校で習う授業の内容を十分に理解していれば、英検の出題傾向に慣れさえすれば合格は難しくありません。
英検5級に受かるために覚えるべき英単語数は?
文科省が進めている小学校英語の学習指導要領では、600〜700語の単語を学ぶことが前提になっています。英検5級を取得するために必要な単語数は300〜400単語です。
したがって、小学校英語の学習指導要領である英単語の600〜700単語をしっかり習得していれば、英検5級は決して難易度の高い資格ではないといえます。学校の英語の時間などで積極的に多くの単語に触れておくことが大切です。
また英検5級は、家族や友達に関すること、買い物や休日の予定といった身の回りの環境について出題される傾向があります。子供たちの、日常生活や家庭で身の回りのものを英語で言えるように練習しておくのが効果的です。
英検5級の合格率と勉強時間の目安は?
2015年に公式から発表された英検5級の合格率は81.9%でした。2016年度以降は「英検CSEスコア」が合格基準に影響するようになったため、ただ得意分野で点数を取れば良いのではなく、リーディングとリスニングどちらの力もバランスよく必要になりました。
日頃英語に触れる機会のないお子さんは特に、毎日リスニング教材に触れるのがおすすめです。またリーディング含む学習時間はトータルで10時間から20時間必要だと言われています。
英検5級の試験時間と問題数
英検5級の試験時間は、リーディング25分とリスニング約20分の合計約45分間です。問題数はリーディング・リスニング各25問です。
英検5級のスピーキングテストは合否に関係なく、任意で受験できます。
英検5級の受験者数と合格率
2022年の英検志願者数は4,205,920人で、そのうち524,833人が小学生以下と英検の公式サイトで公表されています。小学生で英検を受験する子どもたちは5級が最も多いと推測されるため、受験者数とも近い数字であると考えられます。
英検の合格率が公表されていた2015年までのデータでは、英検5級の合格率は80%以上でした。2024年現在では、英検の合格者数は未公開となっているため合格率は不明です。
英検5級の合格スコア・合格ライン
英検5級の合格スコアは419点です。英検5級の合否は、リーディングとリスニングの2技能で判定され、それぞれの満点スコアは425点で合わせて850点です。
英検は正答数が同じであっても受験する回によりスコアが異なるため、「何問正解すれば合格」という基準はわかりません。2016年の場合、2級以下の受験者は各技能が6割程度の正答率で合格しているとのことなので、目安にすると良いでしょう。
英検5級の日程
英検5級を受験するには以下の3パターンの方法があり、それぞれで日程・会場・検定料が異なります。
- 通っている学校や塾での団体申込
- 近隣の一般受験者受け入れ団体での申込
- 個人申込
個人申込の場合は、年に3回受験のチャンスがあります。
- 第1回検定 5月下旬~7月中旬実施
- 第2回検定 9月下旬~11月中旬実施
- 第3回検定 翌年1月中旬~3月上旬実施
個人申込は試験日程の3か月前から受付が開始され、インターネット・コンビニ・特約書店で申し込めます。受験したい時期が明確になったら、早めに英検の公式サイトで日程を確認しておきましょう。
英検5級の試験内容と出題形式
英検5級で実際にどのような問題が出るのかをご紹介します。
- リーディングセクション
- リスニングセクション
- スピーキングセクション(必須ではない)
リーディングセクション
リーディングは3つの大問から成っており、それぞれの問いに特徴があります。
大問1
大問1では、文章の中の空欄を埋める問題が15問出題されます。身の回りの単語を尋ねられる問題が多く出題されます。
他にも、以下の様に表現の中で使うべき前置詞を選ぶ問題や簡単な文法問題も出ます。
I usually read magazines( )home.
1 of 2 on 3 with 4 at
単語を覚えるだけでなく、会話でよく使われる基本的な表現を理解しているかが問われます。
大問2
大問2は、会話を読んで正しい答えを選ぶ問題です。
Woman : Do you want some cookies?
Man :( )
1 Four dollars, please.
2 No, thanks.
3 You’re welcome.
4 No, it isn’t.
普段英語を学ぶ中で、コミュニケーションとして成立する、自然な会話を見聞きしているかが鍵になる問題です。
大問3
大問3は並び替え問題で、英検特有と言える問題です。
私の兄は毎日髪を洗います。(ふりがな有り)
① washes ② every ③ his hair ④ my brother(1番目)______ (3番目)______ morning.
1 ①−③ 2 ②−① 3 ③−② 4 ③−④
以上の様に並び替えた上で、1番目と3番目に来る数字の組み合わせを答える問題です。大問3につまずいて誤答してしまう子供が多いと言われています。
リスニングセクション
リスニングは3部構成となっています。イラストを見る問題や文字を読む問題など、それぞれ問題に合わせた聞き方に慣れることが必要です。
大問1
第1部はイラストを見ながら会話を聞き、正しい応答文を聞いて選ぶ問題です。
例えば、3本のラケットを前にした男の子と女の子のイラストがあります。
聞こえてくる音は Which racket is yours? その後流れる3つの英文のどれかから正しい応答を選びます。
1 At the tennis court.
2 Sure.
3 This one.
イラストを手がかりにしつつ、音声から情報を読み解くリスニング能力が求められます。
大問1
第2部は対話を聞いた後に、流れる質問に対する正しい応答文を選択肢から選ぶ方式です。
例えば聞こえてくる対話が
A : I usually study at the library. Where do you study, Dave?
B : I usually study in my bedroom, Kim.その後に続く質問が
Where does Dave usually study?それを聞いた後に問題文にある4つの文章から答えを選びます。
1 In his living room.
2 In his bedroom.
3 At Kim’s house.
4 At the library.
聞く力と読む力が同時に試される問題です。
大問1
第3部はイラストを見ながら、その内容を最もよく表している文を聞き取る問題です。
例えば外で絵の具を使って絵を描いている女の子のイラストを見ながら
1 Melissa is painting a picture.
2 Melissa is taking a picture.
3 Melissa is writing a picture.
上の3つの文章を聞き取り、どれが一番イラストを正しく表現しているかを答えます。
スピーキングセクション
スピーキングテストは、パソコンやタブレット、スマートフォンなどを使って音声を録音して送る方法で受験するテストです。イラストと英文を見ながら答えます。
英文の音読の後、その文に関する問題3問が出されます。
明瞭でわかりやすい少年と黒い犬のイラストで出題されるのは、以下のような文章です。
- No.1 Please look at the passage. How old is Sam?
- No.2 What color is Lisa?
- No.3 What animal do you like?
Sam’s Pet
Sam is 10 years old, and he has a dog. The dog’s name is Lisa. Lisa is black. Sam likes Lisa.
音読した文章に関する質問、そして受験者に対しての質問に答える内容です。
英検5級のスピーキングテストは受けるべき?
英検5級のスピーキングテストは、リーディングテストやリスニングテストとは別に行うもので、実際は合否とは関係ありません。では受ける必要はないのでしょうか。
実際英検の合否にスピーキングが関わってくるのは3級からですが、3級のスピーキングの出題傾向は、5級や4級のスピーキングテストによく似ています。5級で英検を意識した時から積極的にスピーキングに取り組むことで、5級以上の英検受験の基礎が培われるでしょう。
したがって、英検5級のスピーキングテストは、英検3級スピーキングのためにも必要といえます。英語に必要な4技能の一つであるスピーキングにも積極的に取り組む良い機会です。
ぜひ利用してみましょう。
英検5級に合格するための効果的な対策法
英検5級に合格するためにどのような準備が必要なのでしょうか。どのくらいのレベルになったら受験すべきか等、判断がなかなか難しいものです。
ここでは、英検5級を受験できるレベルの目安と学習方法、対策や心構えをご紹介します。
【対策法①】英検5級向けのドリルを解く
英検のドリルを解くことは有効な手段の一つですが、ただ闇雲に問題を解き続けるのは効率的ではありません。数あるドリルの中から、お子さんが興味を持って楽しんで取り組めるものを選ぶことが大切です。
ドリルに取り組む間に得意な問題と不得意な問題が明確になってきます。苦手な問題の傾向を分析し、重点的に例題を解くことで克服を目指しましょう。
何冊もドリルを買ってただ解き続けるのではなく、一冊の問題集を何度も間違えなくなるまで解く方が、達成感を得ながら問題に慣れていく良い方法と言えます。
【対策法②】単語帳で英検5級レベルの単語を覚える
英検5級に必要な単語数は600語から700語と言われています。ただ単語を覚えるだけの作業は全く楽しくないので、例えば椅子にchairと書いた付箋を貼るなど、家にあるものに付箋を貼って英語を常に目にする工夫をするのも効果的です。
またテストというよりはクイズ形式や親子で競うような形を取って、楽しく覚えられる工夫をしましょう。覚えにくいものは、お子さんと一緒に絵を描いてカルタを作り、カルタ取りをして遊ぶなどの方法を取り入れるのもおすすめです。
【対策法③】英検5級の過去問題を徹底的に解く
公文での学習は、音声が出るペンや読み物教材などで楽しく英語に触れることが出来ます。繰り返し教材を読むことで英語の文字や文章に慣れ、ネイティブの声で流れる音声を聞くことで、英語の音に慣れるのです。
読み物教材には興味深いストーリーが引用されていますので、英語を読んでいる間に国際感覚を育てることに繋がります。また聞いた英語をリピートすることで音読の力もつき、バランスよく力を伸ばせます。
公文の学習を効果的に使うことで、早い段階で4技能を身につけることが可能です。
【対策法④】英検5級の学習計画を立てる
英検5級に合格するために大切なことは、しっかり学習計画を立てて計画的に対策を行うということです。
英検5級に合格するための学習時間の目安は、30時間〜50時間程度です。それなりの学習時間を要するので、1回で効率良く合格するには、計画が不可欠です。
英検5級に合格するために、3ヶ月〜6ヶ月で学習計画を立てることをおすすめします。英検5級は、そこまで難易度が高くなく、英語初心者でも十分合格できる可能性があるので、本格的に学習に入る前にテスト自体を知っておく意味でも1回受験してみるのも良いでしょう。
学習計画の中で過去問に取り組む際は、時間を測りながら一回分の過去問を解いてみましょう。その際、どの問題をスムーズに解けるか、どこでつまずくか、どの項目にどの程度の時間がかかったかを記録します。
時間が足りない場合はスピードが落ちた箇所を重点的に対策し、苦手な箇所が見えたら特に重点的に学び直します。同じ問題を満点になるまで同じ過去問を解くことで、弱点を克服しながら英検特有の問題に慣れていくのがおすすめです。
英検5級に受かるために利用したいおすすめのサービス
本章では、英検5級に合格したい人におすすめの学習教材やサービスについて解説していきます。最短で英検5級を目指したい人や、効率の良い英検学習方法を探している人は参考にしてみてください。
無料で利用できる過去問を利用しよう!
英検の過去問は、英検公式サイトで無料公開されています。
- 過去1年の3回分の問題冊子
- リスニング原稿
- リスニング音源
- 解答
以上の内容が、英検公式サイトで無料でダウンロードできますので、英検5級の受験を検討している人はぜひ利用したいサービスです。過去問を解いて自分の現在のレベルを把握し、苦手な分野を伸ばす学習に力を入れましょう。
英検の過去問は、英検公式サイト以外でも無料で見られます。YouTubeで無料公開されている英検5級過去問動画は、問題文をネイティブの発音で読み上げてくれるため、リーディングとリスニングのレベルを同時に強化できます。
イラストやアニメーションも使いながら問題を解説してくれるので、子どもたちも飽きずに英検5級の学習を続けられるでしょう。
参考:英検「5級の過去問・試験内容」
参考:SK CHANNEL「英検5級過去問題解いてみよう(2023年度 第1回)」
市販の教材がわかりやすくておすすめ!
英検の公式サイトで紹介されている市販の教材も、英検受験に役立ちます。英検5級の教材は、タッチペンでなぞるだけで音声が流れる教材もあり、小学生でも楽しみながら学習できます。
パソコンやタブレットで学習できる教材は、リスニングのためのCDや面倒な答え合わせも必要ありません。5級から準1級までひとつの教材でカバーできるため、長く使えるのもメリットです。
オンライン英会話で英検対策が可能!
オンライン英会話サービスでも、英検の対策が可能です。
- Kimini英会話
- スモールワールドオンライン英会話
- ENC/GNA
- クラウティ
英検対策でオンライン英会話を選ぶならば、英検5級対策コースがあるオンライン英会話を選びましょう。日常会話重視のオンライン英会話では、リスニング試験には対応できてもリーディング試験で点数が伸びない可能性があります。
英検5級対策のコースがあるオンライン英会話では、専用のテキストやオンライン教材を利用して、子どもたちのレベルに合わせた学習ができます。効率よく英検5級合格を目指すならば、オンライン英会話の利用を検討してみましょう。
無料の動画教材で楽しく学ぼう!
英検5級合格を目指すには、英語学習の時間だけでなく普段から英語に慣れ親しむことも重要です。遊びの時間に見ていたYouTubeやDVDを無料の動画教材に置き換えて、日常生活に英語がある環境を作りましょう。
ただし、子どもが嫌がっているにもかかわらず、無理やり動画教材を見せることは、子どもを英語嫌いにしてしまう恐れがあり逆効果です。子どもが興味を持てるような題材を選んで、親子でコミュニケーションを取りながら一緒に楽しめる動画教材が最適です。
英検5級レベルの子供におすすめの絵本や単語帳
問題集や過去問でいきなりテスト対策、となると年齢によっては抵抗があるお子さんもいることでしょう。日頃から楽しいイメージを持って英語に触れることは大切です。
お子さんが英語学習に自然と積極的になる楽しい教材をご紹介します。
【CDつき】よみきかせ英語 Englishえほん
名作の物語を英語で読むことができる本です。CD付きなので読み聞かせが苦手なおうちの方でも、ネイティブの正しい英語を一緒に聞けます。
また英検5級レベルの単語帳もついているので、英検に向けた英検学習に使うこともできます。
小学うんこ英単語1500
子供たちが大好きな「うんこドリル」の英単語バージョンです。笑いながら読めるうんこ関連の例文など、子供たちが飽きずに楽しく取り組める工夫が多くあります。
英単語と熟語をあわせて1,500語を収録しており、英検5級から3級まで受験する級に必要な単語、熟語が一目でわかりやすくまとめられています。
【まとめ】英検5級のレベルを知ってチャレンジしよう!
英検5級というと難しいテストのイメージがありますが、子供たちにとっては方法一つで楽しいチャレンジになり得る課題です。英検5級にチャレンジすることで、お子さんにとって効率の良い学習方法を掴んだり、将来の夢や目標を達成するための基礎を培うきっかけになったりもするでしょう。
ここで得た方法や達成感は、これからお子さんが学んでいく時の道標にもなるものです。楽しく試行錯誤するイメージで、学びへの一歩を踏み出してみましょう。