英語学習を始める際、あるいは英語学習をやり直す際に「何から始めればいいかわからない」と悩む人も多いでしょう。効果的に英語を学ぶためには、英語学習の順番を考えて学習を進める必要があります。
本記事では、効果的な英語学習の順番について解説します。
- 英語は赤ちゃんが言語を習得する時と同じ順番で学習すると効果的
- 英語を効果的に学習するために、まずは英語の基礎知識を身につけよう
- 英語の習得にはインプットとアウトプットのバランスが大切
英語を学習する順番は重要?
結論から言うと、英語を効率的に習得するには、英語学習の順番を意識することは重要です。英語の技能には、文法・単語・発音・リスニング・リーディング・スピーキング・ライティングなどの種類があります。
英語学習を始める際、比較的自分の得意な技能や、逆に苦手な技能から学習を始める人も多いですが、適切な順番で学習しないと学習効果が低くなります。英語学習をする際は、各技能を赤ちゃんが言語を習得する時と同じ順番で学習すると効果的に学習できると言われているため、順番を意識して学習を進めましょう。
効率良く英語を学習する順番
効率良く英語を学習するためには、言語習得に効果的な順番で学習を進めるのが良いでしょう。具体的には、文法・単語・発音などの基礎知識を身につけた上で、インプット学習とアウトプット学習をするのがおすすめです。
本章では、効率良く英語を学習する順番について具体的に解説していきます。
【STEP1】文法学習
英語学習を始める際は、まず文法学習から行いましょう。文法学習はテキストを使用すれば独学でも勉強しやすく、短期間の学習のみで基礎を学べるため、学習者への負担も少ないです。
「中学英語や高校英語を学び直したい」という人は学生向けのテキストを教材に選び、一冊のテキストを3周ほど繰り返して知識を定着させましょう。「学校で習った知識はある程度覚えている」という人は、文法項目を絞って勉強するのがおすすめです。
【STEP2】単語・発音学習
文法学習を一通り終えたら、次は単語と発音を学びましょう。基礎的な単語を早い段階で学習すれば、後のスピーキングやライティングといったアウトプット学習にも応用が可能です。
また、発音も文法と同様、比較的短期間の学習のみで一通りの基礎知識を得られるため、早い段階で学習すべきです。
単語の学習方法
単語学習は、いきなりビジネスやニュースなどで使われる上級単語を覚える必要はなく、まずは中学校で習うような簡単な単語から覚えるのがおすすめです。実際にネイティブが日常会話で使用する単語は”have”、”get”、”take”などの中学レベルの単語の割合が多いと言われています。
中学英語の単語を覚えたら、徐々にビジネスやニュースで使われる英語をインプットして覚えていくのが良いでしょう。
発音の学習方法
発音学習は、まず音声記号を覚えることから始めましょう。音声記号を覚えると、単語帳や辞書などで新しい単語に出会った時に単語の正しい発音がわかり、効率的な英語学習が可能になります。
音声記号を学んだ後は、映画やドラマ、YouTubeなどの動画教材を通してネイティブの英語発音を真似しましょう。自分の英語を録音して、発音のチェックをするのもおすすめです。
【STEP3】リーディング・リスニング
文法・単語・発音の基礎学習を終えた後は、リーディングとリスニングの技能に焦点を当てたインプット学習を行いましょう。赤ちゃんが言語を習得する際も、まずは大量のインプットを行います。
インプット学習は、通勤時間などのスキマ時間を利用して行うのが効率的です。英語の文章を読んだり、英語を聞いたりする時間をできるだけ増やしてみてください。
リーディングの学習方法
- 文法と単語の知識を身につける
- 多読を行う
- 精読を行う
リーディングには文法と単語の知識が欠かせないため、リーディング学習に入る前に一通りの基礎知識を身につけておきましょう。基礎知識を身につけた後は、多読と呼ばれる大量のリーディング学習を行いましょう。
多読を通してある程度英文を読むことに慣れてきたら、精読と呼ばれるリーディング学習を通して英語の文章構造を学習しましょう。
英語の精読とは、一つずつ丁寧に読んでいく学習方法です。英文を読むなかで不明な箇所は読み飛ばしせずに、しっかり理解できるように調べましょう。
リスニングの学習方法
- 英語の音の特徴や音変化を学ぶ
- 聞き流しを行う
- シャドーイングを行う
リスニング学習を始める際、まずは英語特有の音や音変化について学ぶ必要があります。単語やフレーズの綴りを覚えても、音で覚えなければ英語が聞き取れるようになりません。
また、英語にはリンキングやフラッピングなどの英語特有の音変化が存在するため、まずは音の変化を学ぶ必要があります。英語の音や音変化に慣れてきたら、スキマ時間などを利用して英語を聞き流す時間を作ったり、シャドーイング学習を取り入れたりしましょう。
【STEP4】ライティング・スピーキング
インプット学習の次は、ライティングやスピーキングなどのアウトプット学習を取り入れましょう。たとえば、リスニング学習で”You made my day.”(あなたのおかげで楽しい1日を過ごせた)という英語表現を学んだら、すぐに学んだ表現を英会話で使います。
または、日記などに”He made my day.”(彼のおかげで楽しい1日を過ごせた)などと記入し、アウトプット学習をするのも良いでしょう。学んだ単語や表現はとにかくアウトプットして、使える英語の習得を目指してください。
英語を話せるようになるための6つの学習手順
英語学習者の皆さんの中には「英語を話せるようになりたい」という最終目標のために英語を勉強している人が多いのではないでしょうか。本章では、英語を話せるようになるための学習手順について解説します。
とくに「スピーキングを上達させたい」という人は参考にしてください。
【STEP1】発音トレーニング
「英語を話せるようになりたい」と思ったら、まずは発音のトレーニングから始めましょう。英語学習の早い段階で発音を習得することは、後々本格的なスピーキングの練習をする際の自信にもつながります。
具体的には、発音記号などの基礎知識を身につけたり、ネイティブの英語発音を聞いて何度も真似したりするのがおすすめです。スキマ時間で英語を聞き流し、英語の音に触れる時間を増やすことから始めてみましょう。
【STEP2】シャドーイング
発音トレーニングがある程度終わったら、次はシャドーイング学習を取り入れてみてください。シャドーイングとは聞こえた英語の音声のすぐ後を追いながら復唱するトレーニングで、通訳訓練法としても知られています。
シャドーイングは、スピーキングだけでなくリスニングや発音の学習にもなるおすすめの英語学習法です。最初は比較的スピードの遅い音源を使用し、徐々にナチュラルスピードのシャドーイングにも挑戦してみてください。
【STEP3】英単語を暗記する
シャドーイング学習に慣れてきたら、次は英単語を暗記します。中学校や高校レベルの単語帳を使った学習がおすすめですが、単語帳を使った学習が苦手な人は映画やドラマ、YouTubeなどを通して英単語を覚えるのも良いでしょう。
英単語を暗記する際は、暗記したい英単語を使って文章を作りながら覚えるのが効果的です。実際に暗記したい英単語を使用して英会話をしている自分を想像しながら覚えるのが暗記のコツです。
【STEP4】基礎文法(中学レベル)を復習する
英会話には、文法の知識も欠かせません。しかし、日常英会話に高度な文法知識は必要なく、中学レベルの基礎文法の知識さえあればネイティブと英会話ができます。
まずは、中学レベルの英文法のテキストを3周ほど繰り返して、基礎文法の知識を定着させましょう。英文法のテキストに記載されている例文は音読をしてアウトプット学習も行うと、効率良く学習できるのでおすすめです。
【STEP5】英語の表現や言い回しを覚える
- 映画やドラマから学習する
- YouTubeから学習する
- 洋楽から学習する
ネイティブとの英会話を楽しむためには、英語の表現や言い回しを覚えることが大切です。英語の表現や言い回しは英語のテキストや単語帳から学習することも可能ですが、映画やドラマ、YouTube、洋楽などを通して楽しく学習するのがおすすめです。
映画やドラマ、YouTube、洋楽などを使用して学習する際は、自分の興味や英語学習の目的に合わせて教材を選びましょう。
【STEP6】英会話の練習をする
- オンライン英会話を利用する
- 英会話サークルに参加する
- 独り言で練習する
ある程度のインプット学習を終えたら、いよいよ英会話の練習に取り組みましょう。英会話の練習方法はさまざまあり、中でもおすすめなのがオンライン英会話です。
オンライン英会話を利用すれば、自宅にいながらネイティブと英会話ができます。ネイティブとの英会話に自信が持てない人は、まずは日本人が集まる英会話サークルに参加したり、独り言で英会話を練習したりするのもおすすめです。
《おすすめのオンライン英会話サービス》
・ネイティブキャンプ
・DMM英会話
・レアジョブ英会話
英語学習を行ううえで注意すべきこと
英語学習者であれば、誰でも「効率的に学習を進めたい」と思うでしょう。本章では英語学習を行う上で注意すべきことを5つ紹介しますので、これから英語学習を始める人や、英語学習がうまくいかないと悩んでいる人は参考にしてください。
①学習を始めたばかりの時はインプットに時間をかける
英語学習を始めた最初のうちは、アウトプット学習よりもインプット学習を多く取り入れましょう。インプット学習に時間をかけなければ、アウトプット学習に使える文法や単語の知識を得られません。
インプット学習で学んだことをアウトプットすることで、効果的な学習サイクルが生まれるということを覚えておきましょう。
②アウトプットを積極的に行う
英語学習においてインプット学習は大切ですが、インプット学習ばかりしてアウトプット学習をおろそかにしてしまうと、いつまで経っても英会話が上達しません。とくに日本で生活する上では、英語のアウトプットの機会は多くないので、積極的にアウトプットの機会を作る必要があります。
アウトプットには、いつでもどこでも手軽にできるオンライン英会話がおすすめです。「毎日30分早起きしてオンライン英会話を受講する」など、目標を決めて取り組みましょう。
③継続学習が重要
英語学習はスポーツや楽器の習得と同じく、継続学習が重要です。とくに英語学習では、1週間のうちに1日だけ7時間勉強するよりも、1週間毎日1時間勉強する方が効果的であると言われています。
継続学習のコツは、最初から大きな目標を作るのではなく、小さな目標を立てて達成しやすいタスクを作ることです。とくに英語学習を始めて間もないときは学習に対するモチベーションが高く、大きな目標を作ってしまいがちなので注意が必要です。
④具体的な目標をたてる
英語学習者の皆さんは、英語学習の目標というものを持っていますか。英語初心者の中には「英語が流暢に話せるようになる」という曖昧な目標を掲げる人が多いですが、このような曖昧な目標は英語学習を挫折する1つの要因になり兼ねません。
英語学習を始める際には、具体的な目標をたてましょう。具体的な目標があれば達成感を得られる頻度も増え、英語学習の成果がわかりやすいため、学習の継続につながります。
⑤英語の聞き流し学習は基礎ができてから
英語の聞き流し学習は、通勤時間や家事の時間などのスキマ時間を利用して手軽にできるため、とくに英語初心者に人気の英語学習の1つです。しかし、英語の聞き流し学習を効果的に行うためには、まず英語の基礎知識を身につける必要があります。
具体的には、基礎文法や単語、発音の知識を身につけてから行うのが良いでしょう。英語に関する知識の土台ができ上がった状態で聞き流しを行えば、質の良いインプット学習が可能になります。
【まとめ】英語の習得は学習する順番がポイント!学習手順を意識して効率よく学ぼう
本記事では、英語学習を行う際の効果的な学習の順番について説明しました。ただ単に「得意だから」「苦手だから」「勉強しやすそうだから」などという理由で英語学習の順番を決めてしまうと、効果的な学習ができません。
言語習得に効果的な順番で、効率良く英語を学びましょう。とくに「国際会議の日が迫っている」「どうしても1年で英語を習得したい」など、効果的かつ効率的に英語を学びたいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。