英語を学んでいる人は多いのに、英語が話せる人は少ないというのが今の日本の現状です。すでに学校を卒業して大人になってからだと、自学で英語を身に付けるのは困難な道のりのように思えます。
本記事では、英語を学び直したい大人でもできる自学のやり方について、意識するポイントや正しい勉強方法などについて解説していきます。
- 自学で英語を上達させるためのポイントがわかる
- 英語を上達させるための4つのステップ
- 3か月で英会話がマスターできる方法を徹底解説
- 苦手を克服できる学習方法
英語を自学で上達させるために意識したいポイント
英語を自学で上達させるために、どのような部分を意識するとよいのでしょうか。3つのポイントに絞って解説していきます。
スキマ時間を使って無理をしない
スキマ時間を使って無理せず自学を続けることは、英語上達のポイントです。一度に長時間勉強を詰め込もうとしても、集中力が続かずにモチベーションも維持できません。
スキマ時間に少しずつ学習を継続して、毎日英語にふれる時間を作りましょう。
- 通勤時間に英単語アプリで語彙力アップ
- 昼の休憩時間に英語の動画を視聴
- 夜寝る前にオンライン英会話でアウトプット
いずれも30分以内でできる英語の自学です。1週間分の1日30分の学習を、もし1日で済ませようとすると3時間半になります。
短時間の英語学習でも積み重ねることで、結果につながります。
趣味と関連した内容の学習を取り入れる
英語の自学の際には、趣味と関連した内容の学習を取り入れると楽しく続けられます。
- アニメ好き→好きなアニメを英語で鑑賞する
- 音楽好き→洋楽を聞きながら歌詞を読む
- ゲーム好き→オンラインで英語チャット
- ドラマ好き→海外ドラマを英語で鑑賞する
自分の趣味や好きなことならば、英語を勉強しているという意識を持たずに楽しめます。自学で英語を学ぶには、モチベーションの維持が重要です。
趣味と関連した自学は、楽しみながら学べて英語の上達にぴったりです。
アウトプットをとにかく増やすことを意識する
英語を自学で上達させるには、アウトプットを意識して増やすことが重要です。自学のデメリットとして、話し相手がいないためアウトプットの機会が大幅に少なくなってしまう部分があります。
- 英語で日記を書く
- SNSを英語で発信する
- オンライン英会話をやってみる
自学でも気軽に始められるアウトプットの方法として、日記やSNSを英語で書いてみる方法があります。SNSだと友達や見ず知らずの人からの反応が来る場合もあり、更新する意欲になります。
オンライン英会話は自宅で簡単に始められますので、スピーキングでアウトプットをしたいときにはおすすめの方法です。月々の費用も3,000円程度からなので、お金をかけずに英語を習得したい人にもおすすめです。
英語を自学で上達させるための4つのステップ
英語を自学で上達させるために重要な、4つのステップについて解説していきます。順を追って学習を進めていくことで、効率よく英語を学べます。
「早く英語が話せるようになりたい」「無駄なことはしたくない」と考える人は、ぜひステップに沿って学習を進めてみてください。
【ステップ1】単語や語彙を増やす基礎固め
英語学習の最初のステップは、単語や語彙を増やすための基礎固めです。最初に多くの単語をインプットしておくことで、言いたいことを表現できるようになり、後の英語学習がスムーズに進みます。
- 英単語アプリを使う
- 洋書を読む
- 英単語を声に出して覚える
単語を覚えるのに英単語アプリの活用は非常に効率的です。紙でできた単語カードを作成するのは大変ですが、英単語アプリなら出てくる単語をスワイプするだけで、覚えている単語とまだ覚えていない単語を振り分けられます。
英単語をひたすら覚えるのに飽きたら、洋書を読んで語彙力を増やすのもよい方法です。知らない単語が出てきても、前後の文脈から意味を推測でき、ネイティブスピーカーが英語を覚えるとき同様に、英語脳を鍛えながら語彙を増やせます。
【ステップ2】中学文法から見直して文を組み立てる練習を行う
英語を上達させる上で、英文法の習得は避けては通れません。中学文法から見直して文を組み立てる練習を行うと、長文読解や英語で文章を作るときに役立ちます。
まずは英文法の参考書を1冊買って、最初から通して読んでみてください。書店に行くと、大人の学び直しに特化した英語の参考書が多数置いてあります。
内容や字の大きさ、本の厚みなどを手に取って確認し、1冊最後まで読み切れそうだと思う本を購入しましょう。参考書の中に例題や小テストが載っているものだと、理解度を確認しながら進められるのでおすすめです。
【ステップ3】実際に英会話を通してさらに単語や語彙を学んでいく
英単語と文法が一通りマスターできたら、次は英会話を通してさらに単語や語彙を増やしていく段階へと進みます。単語や文法が頭に入った状態で会話をすると、相手の言っていることがわかり、自分の伝えたいこともスムーズに出てきます。
自学の場合、英会話の相手役はオンライン英会話の講師がおすすめです。自宅からいつでも外国人講師と話せるので、自学で学んでいる人にも使いやすいサービスです。
会話の相手が話した中で知らない単語が出てきたときは、会話を中断してメモを取っておきましょう。あとで綴りや意味を確認すると、視覚・聴覚両方から刺激が入るので、脳に覚えたことが定着しやすくなります。
【ステップ4】発音・返答スピード・イントネーションを繰り返し訓練する
英語を自学で勉強するときの最後のステップは、発音・返答スピード・イントネーションを繰り返し訓練することです。練習方法には、以下のようなものがあります。
- シャドーイング
- 自分の声を録音して聞いてみる
- 発音に特化した英語アプリを使ってみる
シャドーイングは、英語の音声を聞きながら、影のように追いかけつつ自分でも発音してみる学習方法です。「聞く」と「話す」を同時に行うので、集中して英語を聞いて発音やイントネーションを真似る必要があります。
自分の声を録音して聞いてみるのも、発音のおかしい部分に客観的に気付けるのでよい方法です。自学では発音の矯正が難しいと思うならば、英語アプリで発音矯正ができるものを利用するのもよいでしょう。
AIが相手になって正しい発音を教えてくれるアプリならば、間違った発音でも恥ずかしくないので、正しい発音ができるようになるまで何度でも練習できます。
【3ヶ月でマスター!】英会話を上達させる初心者向けのロードマップ
本章では、実際に3か月で英語をマスターした動画配信者の学習方法をもとに、初心者でもできる英会話上達のロードマップを紹介します。自学ではどのようなやり方で学習を進めていけばよいかわからないという人は、ぜひ参考にしてみてください。
【1ヶ月目】とにかくたくさん単語を覚える!
最初の1ヶ月は、とにかく英単語を数多くインプットすることに集中しましょう。英語でコミュニケーションを取ろうとしたとき、英単語さえ知っていれば単語の羅列でも相手に自分のやりたいことは伝えられます。
英単語のインプットには、単語カードアプリがおすすめです。単語カードアプリの『Quizlet』は、ボタン一つでカードをシャッフルできるので、紙の単語帳のように面倒な作業が必要なく、いつでも英単語を覚えられます。
スキマ時間に単語カードアプリを利用して、効率的に英単語を覚えていきましょう。
【2ヶ月目】英語脳を作る訓練を毎日する
2ヶ月目からは、思考回路を英語にする訓練を行います。頭の中で思い浮かんだ日本語を英語に翻訳するのではなく、最初から英語で考えることで、無駄なプロセスを省いて英語をスムーズに話せるようになる訓練です。
訓練方法は、普段の考え事や独り言などを、日本語ではなく英語で常に考えるようにします。具体的に言うと、「お腹がすいたなぁ」→「Im hungry…」「楽しい!」→「Fun!」のように、簡単な単語からでいいので脳内で英語を使ってつぶやきましょう。
思考回路を英語にする訓練を続けていると、自分の語彙力の範囲内で、考えていることを英語で表現する技術が身に付きます。あとは語彙力を増やしていくと、表現のバリエーションが増えて難しい内容の話題も話せるようになっていきます。
【3ヶ月目】英会話を増やして色々なパターンで返答する訓練をする
3ヶ月目からは「妄想英会話」にチャレンジしてみましょう。「妄想英会話」とは、頭の中で会話相手を想定して英会話を繰り広げ、実際の会話に役立てることです。
友達と会話した内容を英語に置き換えて、会話内容を一人二役で再現してみるとわかりやすいでしょう。友人との会話のシミュレーションを一人でやってみると、実際に英会話するときもスムーズに会話できるようになります。
今回のロードマップを参考に、日本語を介さずに英語で思考できるようになるまで、英語脳を鍛える訓練を行ってみてください。
【ニガテ別】ピンポイントで強化できる英語学習法
本章では、苦手なジャンルごとに、ピンポイントで強化できる英語学習法について解説していきます。
【単語が覚えられない】単語アプリと趣味のジャンルの読書がおすすめ!
「単語が覚えられない」「英単語の暗記に苦手意識が強い」という人には、英単語アプリの活用と趣味のジャンルの読書がおすすめです。英単語アプリは、紙の単語帳と違って自分がすでに覚えた単語は簡単に除外でき、効率的に単語を覚えられます。
いつでもどこでも、スキマ時間を利用して覚えられるのも英単語アプリのメリットです。洋書に挑戦するときは、自分が興味のある分野や趣味に関する本を選んで読んでみてください。
多少わからない単語が出てきても、すでに知識のある分野について書かれた本ならば、前後の文脈から意味を推測しながら読めるので1冊通して読むことも苦になりません。
【発音がニガテ】映画やドラマのシャドーイングがおすすめ!
発音に苦手意識のある人は、映画やドラマのシャドーイングを試してみましょう。シャドーイングとは、英語の音声を聞きながら真似して後追いで発音する英語学習法です。
- リスニング力が身に付く
- スピーキングが上達する
- 語彙力アップ
「聞く」と「話す」を同時に行うシャドーイングは、一見難しそうに思えます。しかし、音声を集中して聞き繰り返し発音することで、英語のスピード感に慣れて英語特有の強弱やリズムを習得できるようになります。
映画やドラマをシャドーイングの題材にすることで、ネイティブの人達が使っている生きた英語を学べるのもメリットです。語彙力を増やし、頻出フレーズを自然な形で覚えられます。
【会話がニガテ】オンライン英会話なら思う存分話せておすすめ!
英会話の機会を増やすには、オンライン英会話を利用するとよいでしょう。オンライン英会話は自宅で気軽に始められて、費用も通学式の英会話スクールより安く済みます。
英語を自学で身に付けようとすると、英会話スキルが後回しになりがちです。英会話スクールに通ったり学校で学んだりする学習法に比べると、英語で話す機会が圧倒的に少なくなってしまうからです。
1日30分程度、外国人の英語講師と英会話を行うと、アウトプットの機会を大幅に増やせます。相手がいることで英語学習のモチベーションも上がりますので、利用しない手はないでしょう。
英語を継続して学習するのに役立つ習慣
英語を継続して学習するには、英語学習を「習慣化」することが何より重要です。本章では、英語学習を習慣化するとどのようなメリットがあるのか、習慣化するための方法について解説していきます。
英語学習を毎日の習慣にする
英語学習を習慣化して毎日勉強すると、英単語や文法の知識を確実に積み重ねていけるというメリットがあります。何回も繰り返して英語にふれることで、英語の知識が定着し勉強の効果がアップします。
英語学習が習慣化されていないと、「今日は休んで明日まとめてやろう」と学習のモチベーションが途絶えてしまうのも問題です。毎日続けることが習慣になっていれば、勉強を始めることへのハードルが下がり、学習が特別なことではなく「当たり前にやること」になります。
英語学習への苦手意識をなくし、モチベーションを維持するためにも、毎日の習慣化を心がけましょう。
定期的に成果が見えるようにする
英語学習には習慣化が重要ですが、毎日だらだらと続けているとゴールが見えずにモチベーションが下がりがちです。時には、普段の学習に区切りを付ける意味でも、英検やTOEICなど資格試験に挑戦したり、問題集を購入して小テストを実施したりしてみましょう。
自分の英語力が向上しているのを目に見える形で実感できると、さらに英語学習への意欲が高まります。
英語学習のコミュニティに参加して友達と一緒に学習する
英語学習のコミュニティに参加して、友達と一緒に学習することも英語学習を習慣化するために有効な方法です。一人では挫折しそうになるときも、仲間がいると心強いですし、ライバルに負けたくないという気持ちも学習のモチベーションを上げてくれます。
- オンラインフォーラム
- SNSの英語学習グループ
- 地域の英語サークル・勉強会
自学で英語を学んでいる人には、オンラインで気軽に参加できるフォーラムや、SNSで有志が集まって行われている英語学習のグループに参加するのがよいでしょう。住んでいる場所に関係なくアクセスできるオンラインのグループならば、自分のレベルに合ったコミュニティが見つけやすいのでおすすめです。
住んでいる場所の近くで、対面式の英語サークルや勉強会が開かれている場合もあります。いつどこで開催されているかは、自治体の広報誌やSNSなどから情報を得られます。
自学での勉強に限界を感じて新しい方法を試してみたくなったときには、英語学習のコミュニティに参加してみるとよいでしょう。
【逆効果かも】おすすめしないNGな勉強法
英語学習にはさまざまな方法があります。しかし中にはあまりおすすめできない勉強法があるのも事実です。
本章では、逆効果になってしまうかもしれないNG勉強法について、何がよくないのかを解説していきます。
「ただ英語を上達させたい」だけで、明確な目標がない
「ただ英語を上達させたい」だけで、明確な目標がないまま勉強を続けるのは、おすすめできません。ゴールがないままに始めても、途中でやる気をなくし学習を続けられないことが多いからです。
英語を自学で身に付けたいと思うならば、何か一つ具体的な目標を持って学習を続けると、つらい勉強を続けるモチベーションになります。ビジネスで英語を活用したいならば、具体的に将来就きたい職業を思い浮かべて、職種に合わせた内容の英語を学びましょう。
海外旅行で英語を話せるようになりたいならば、旅行の計画を先に立ててしまいましょう。具体的な目標や計画があると、目標に向かって一直線にモチベーションを保ったまま進んでいけます。
いろんな教材や方法に手を出す
英語を自学で行っていると、目に付いたいろいろな教材に手を出してしまいがちです。SNSで紹介されていた問題集は、つい買ってしまうという人も多いでしょう。
いろいろな教材に手を出していると、すべてが中途半端になってしまい、結局何も達成できていないとなりかねません。「これだけお金をかけたのに、英語が身に付いていない」と自己嫌悪になり、英語学習自体が嫌になってしまうこともあるでしょう。
いろいろな教材や方法に手を出す前に、まずは目の前の教材を1冊やり遂げてみてください。1冊通して学習できたという達成感は自信へとつながり、さらに英語学習への意欲が湧くはずです。
聞くだけ、観るだけの「〇〇するだけ学習」は今すぐやめて!
「聞くだけ」「観るだけ」の学習方法は、簡単にできる英語学習法としてよく見かけます。しかし結論から言うと「聞くだけ」「観るだけ」では、なかなか英語は上達しません。
「聞くだけ」の学習に意味がないと言われるのは、英語を「音」として聞き流してしまっているからです。聞いたことのない国の言語をひたすら聞き流していても、いつまで経っても意味がわかるようにはなりませんし、「観るだけ」についても同じです。
「聞くだけ」「観るだけ」学習で効果を出すためには、最低限の英単語や文法が頭に入っている必要があります。まずは基本の英単語や文法を学び、英語の知識が蓄積した状態で英語を観たり聞いたりするようにしてください。
【まとめ】正しい英語自学方法を身につけ英語力をアップさせよう
本記事では、英語を自学で習得したい人にむけて、効率的な勉強法や意識しておくべきポイント、3ヶ月で英語が話せるようになるロードマップなど紹介しました。一人で英語を身に付けることは大変な道のりですが、正しい勉強法を行い便利なアプリなどを活用することで、目標へと歩みを進めていけます。
ぜひ本記事を参考にしながら、夢や目標に向かって英語学習を続けていきましょう。